「脳を鍛える」

2004年8月15日
立花隆著の「脳を鍛える東大講義人間の現在」
という本がある。

学生時代に一度読んだことがあるが、ふと
この本が目に留まり最近読み返した。

内容は、如何に大学時代勉強するか、
理系の知識がどれほど日本に浸透してい
ないかを述べ、上手に自分の脳を鍛える
方法を叙述した本である。

彼曰く、日本の理科教育は19世紀レベル
なのだそうだ。なんとも頭の痛い話である。

確かに、大学を卒業した人間に

「熱力学第二法則は何か?」

「エントロピー増大の法則について述べよ。」

という質問をしたとしても半数以上が意味が
分からないか、答えられないであろう。

所詮、日本の大学教育はそういうレベルなのだと
彼は言う。
(理系の専門科目でなく、文系を含めた教養
 レベルの話である。)

本の中では、世界は対称性により構成されている
ということにまで言及しアインシュタインの相対性
理論まで持ち出している。

さぞかし本を読み、猛烈な努力をし知識を
積み重ねていったのだろうという彼の人柄が
浮かび上がる。

確かに日本の大学制度は、入学が難しく
卒業が簡単だという奇妙な矛盾を抱えて
いる。大学で何を学んだかよりも、
どの大学に入ったかを重視する傾向がある。
また、社会もある程度それを認め、誤った
価値基準で動いている。
民間はまだしも、国を動かす高級官僚を
見ればその実体は明らかだ。

知り合いの私大医学部生はこう言う。

「理?だからといって、一番国家医師免許試験の
 合格率が高いわけでは無いんです。
 むしろかなり低いんです。
 それは、理?に合格したことに満足
 してしまって、その先のビジョンが
 無いんです。」

と。

この本が書かれたのは今から4年ほど前だが、
現状は未だ変わっていないように、私は感じる。
大学とは何か、また大学で学ぶということは
どういう意味なのか学生が本当に認識したとき
社会は変わって行くのかも知れない。

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