「夏期講習」

受験界では夏期講習真っ盛りである。

もちろん私の属する塾も毎日朝から夜
まで授業が淡々と行われている。

生徒は授業だけでなく毎日出される
課題に翻弄される一ヶ月となる。

生徒の種類にはいろいろあって、
授業開始から半分以上経過して入室する奴、
カップルで机を並べ仲良く夏から不合格
まっしぐらの奴、ひとり恋愛に悩んで
悲劇のヒロインを演じる奴、超真面目に
孤独に勉強する奴、某総理大臣?!のように
宿題を講師にまる投げする奴、キャラクター
はさまざまだ。

しかしその一方で講師もしっかり生徒に
観察されている。

私も影ではどういう評価をされていることやら...。

とはいえ、講師からすれば好きだとか嫌いだとか
いう主観論よりも、結果的に生徒の成績が伸ばす
客観的事情を最優先事項として掲げ、それを達成
しなければならない。

40人ほどの生徒を前に、どれくらいのレベルを想定
し授業をするか毎日悩むところである。
40人もいればレベルはピンからキリまで本当に幅広い。

生徒の目を見、その授業の雰囲気を感じ取り
眠くなる時間帯は興味ある世間話をしたり...。

正直、授業は何年やっても難しい。

高校生の頃は、先生より絶対自分が教えた方が
わかりやすく教えられるという勝手な自負を抱いて
いた。
しかし、いつの間にか自分が高校生の年齢を
過ぎると、どの視点で教えればもっとも効率がよく
分かりやすい授業が行えるかというポイントが
分からなくなっていることに講師をやって気づか
された。

当事者の状況は自分が体験しないとわからない
ものだ。
実際にやるのとみるのでは、全く世界観が
異なっている。

10年前高校生であった私があの頃描いていた
授業を私は現在行えているであろうか。
戻れるものならあの頃の気持ち、視点をとり
戻して自分の授業を受けてみたいものだ。

「○○先生、わかんねぇー」と言われない
ように明日も授業を頑張ろう。(^^ゞ